統括医長 菊池 二郎
1.ビジョン
急性期中核病院として期待される医療は、チーム医療によるアプローチが必要で、入院管理が必要な疾患に対する医療と、手術が必要な疾患に対する医療である。形成外科としては具体的には、顔面骨骨折、皮膚軟部組織腫瘍、皮膚軟部組織損傷欠損・損傷が対象となる。特に下肢の難治性潰瘍、虚血性組織損傷・壊疽、糖尿病性病変は多科(血管外科、循環器内科、腎臓内科、糖尿病内科、リハビリ科)との協働が必要で、その院内マネージメントを当科で担う。また、診断治療の標準化、マニュアル化を行う。その後、その検証を行い、修正を加える。学会発表を行い、院外での議論を経て、さらに修正する。
2.サービス・業務内容
形成外科が対象とする疾患
- 外傷
顔面や頭頚部、四肢の挫創・切創・挫滅創・組織欠損創・刺創、動物咬傷 - 皮下血腫、異物残留
熱傷、顔面骨骨折、外傷後陳旧性顔面変形 - 腫瘍
良性皮膚皮下腫瘍、悪性皮膚腫瘍(悪性黒色腫を除く)、良性軟部組織腫瘍
リンパ節腫脹(診断のための生検) - 感染症
感染性皮膚皮下腫瘍、蜂窩織炎、爪周囲炎、陥入爪、ガス壊疽、壊死性筋膜炎
皮膚感染を主体とした敗血症 - 退行性病変
下肢循環不全に伴う皮膚潰瘍や壊疽、褥瘡、糖尿病性壊疽、放射線潰瘍
難治性潰瘍
ケロイド、肥厚性瘢痕、眼瞼下垂症 - 先天奇形
耳瘻孔、耳介変形、毛巣洞 - 腫瘍切除後
腹壁再建、胸壁再建、乳房再建、組織欠損の修復
多職種病棟カンファレンス:水曜日午後
形成外科術前検討会:水曜日午後
褥瘡回診:水曜日午後
休日のERで、予約制外来を行っている。
休日のER日勤に協力している。
研修医の指導:1年目1週間、2年目1週間、入職時オリエンテーション)
特定行為研修中の看護師の教育:創傷関連、壊死組織の除去、陰圧閉鎖療法、創部ドレーン抜去
特定行為研修終了の看護師の指導:水曜日の形成外科外来での指導、褥瘡回診での指導
3.体制
スタッフ構成
役職区分:統括医長 1名
医長 2名
医師(非常勤) 2名
常勤医師:形成外科専門医 3名
非常勤医師:形成外科専門医 2名
院外資格
① 日本形成外科学会専門医 5名、 指導医 2名
② 日本創傷外科学会専門医 2名
③ 日本形成外科学会皮膚腫瘍外科分野指導医 1名
④ 日本形成外科学会再建・マイクロサージャリー分野指導医 1名
⑤ 日本形成外科学会レーザー分野指導医 1名
⑥ 日本形成外科学会小児形成外科分野指導医 1名
⑦ 日本熱傷学会専門医 2名
⑧ 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
乳房再建用エキスパンダー責任医師 2名
乳房再建用インプラント責任医師 2名
⑨ JPTECインストラクター 1名
⑩ 臨床研修指導医 4名
⑪ 高齢者医療研修会受講者 1名
⑫ 医療安全管理者 2名
⑬ 診療情報管理士 1名
⑭ 看護師特定行為研修指導者 1名
5.学術等業績
学会発表
- 細見謙登、垣野明美、笹岡真衣、宇佐美陽子、岡松優子、沢村達也、杠俊介:「動脈硬化を促進する酸化LDLの脂肪細胞による代謝機構の解析」、第30回日本形成外科基礎学術集会、東京(オンデマンド)、2021年10月7-8日
- 細見謙登、菊池二郎、大坪美穂、柳田卓也、白戸康介,吉池昭一:「初期治療としての熱傷部位のクーリング効果の検討」、第34回日本熱傷学会甲信地方会学術集会、松本(Web発表),2021年11月6日
- 菊池二郎、大坪美穂、細見謙登、柳田卓也:「カルシフィラキシスの2例~3年を超える長期経過~」、侵襲形成外科学会第83回例会、佐久(Web発表)、2021年11月6日
- 細見謙登、河嶋秀和、中野厚史、岡松優子、垣野明美、杠俊介、飯田秀博、沢村達也:「新規酸化LDL代謝機構の解明」、第57回高血圧関連疾患モデル学会学術総会、福岡(Web発表)、2021年12月10-11日
論文
- Hosomi K, Yuzuriha S, Yanagisawa D: Buried patch skin grafting under granulation flap for impaired wounds with local and general severe complications. Int J Surg Wound Care 2: 84-89, 2021