統括医長 水城 直人
1.ビジョン
- 救命救急センターにおいて、小児患者への初療から入院までの対応を、小児処置チームが中心的に能動的に行う事で、迅速で安全な小児救急医療を提供する。
- 地域の小児がん診療を行う連携病院(小児がん診療施設区分2)として、鎮静管理を必要となる小児がん患者に対して、病院内と病院間の連携を密にして機を逃さずに安全な陽子線治療を提供する。
2.サービス・業務内容
- 小児一般診療:地域の開業医や、総合病院小児科等から紹介される小児内科患者の外来・入院の診療を行っている。
- 小児救急医療:毎週月曜日は松本市二次救急輪番病院として小児科当直体制で対応している。それ以外の夜間休日は救命救急センターで小児科オンコール体制で対応している。
- 予防医療:予防接種は定期・任意接種とともに、シナジス(RSウイルス予防)接種を行っている。
- 周産期医療:異常分娩の立会いと新生児蘇生を行い、新生児入院管理または高次機能病院への搬送医療を提供している。出生後または退院後の新生児は乳児健診または小児科専門外来で診療を継続している。
- 小児処置時鎮静管理:MRI検査、PET-CT検査、陽子線治療等で、安全に確実に施行するための小児鎮静管理を、麻酔科と協働のもと処置時鎮静管理の規定に沿って応需している。
- 小児内分泌外来:学校保健で作成されている成長曲線において、正常範囲から逸脱した症例の相談医療機関として二次精査を行っている。二次精査には必要に応じてホルモン負荷検査を行っている。
- 小児科関連スタッフへの教育:小児関連病等の看護師・技師または初期研修医への講義形式の勉強会(Off-JT)と、ベッドサイド等の臨床現場の実技を含めた指導(OJT)
3.体制
- 小児一般診療:外来症例は主治医体制、入院症例はグループ体制
- 小児救急医療:毎週月曜日の松本市二次救急輪番病院は柳生と水城が担当
それ以外の夜間休日は小児科オンコール体制(北澤、柳生、水城)で対応 - 予防医療:定期・任意接種は毎週水曜日の午後、シナジス接種は月金の午後
- 周産期医療:異常分娩立会い・新生児蘇生対応については、日勤帯は病棟担当医師、夜間休日帯はオンコール医師。乳児(1ヶ月)健診は毎週火・木曜日の午後外来
- 小児処置時鎮静管理:柳生、水城、麻酔科医師(毎週火曜日)
- 小児内分泌外来:毎週 月・火・金 午前外来 水城弓絵医師が担当
- 小児科関連スタッフへの教育
- 初期研修医
一般小児科学、小児二次救急(PALS)と呼吸障害・ショック、新生児蘇生(NCPR)のスライドを使用した勉強会、シミュレーターを使用した処置実技等の実技指導、学術集会発表または学術論文作成の指導 - ER、ICU、4B病棟、陽子線治療センタースタッフ
小児一次・二次救命救急、小児内科医学の勉強会の開催 - 3B病棟スタッフ
新生児呼吸障害と、酸素吸入・陽圧人工呼吸管理の勉強会、シミュレーターを使用した新生児蘇生と挿管処置の実技指導、指導新生児蘇生(NCPR)の現場での実践指導 - 4B病棟スタッフ
喘息性気管支炎や気管支喘息等の勉強会、内分泌負荷試験の勉強会等の開催。PALSやPEARSへの参加促進
- 初期研修医
4.実績・年度報告
入院 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
3A病棟入院数 | 1 | 0 | 0 |
3B病棟入院数 | 83 | 72 | 68 |
3C病棟入院数 | 108 | 0 | 0 |
4B病棟入院数 | 32 | 59 | 73 |
合計入院数 | 224 | 131 | 141 |
病床利用率 | 67.6% | 51.6% |
*病床利用率は、5床で計算しています。入院数は新入院患者数
外来 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
新患数 | 223 | 159 | 167 |
再来数 | 1,788 | 1,486 | 1,301 |
合計外来数 | 2,011 | 1,645 | 1,468 |
周産期 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
分娩数 | 419 | 311 | 283 |
予防医療 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
健診(自費) | 254 | 170 | 159 |
健診(公費) | 61 | 42 | 29 |
予防接種(自費) | 297 | 372 | 80 |
予防接種(公費) | 1,404 | 1,090 | 947 |
シナジス接種 | 6 | 1 | 4 |
陽子線治療センター | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
鎮静管理小児患者 | 3 | 6 | 5 |
PETセンター | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
鎮静管理小児患者 | 10 | 10 | 16 |
内分泌外来 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
内分泌外来新患数 | 14 | 15 | 13 |
成長曲線相談数 | 3 | 2 | 2 |
内分泌負荷試験 | 5(GH3、LHRH2) | 3(TRH3) |
5.学術等業績
小川奈緒美、下部尿路機能異常症が疑われた、治療抵抗性の急性巣状細菌性腎炎の1症例、第31回長野県小児腎臓病研究会、2022年12月3日
Tanaka Toshiyuki, Yoshihiro Aoki, Mizushiro Naoto. L-Arginine Supplement-Induced Esophagitis in an Adolescent Boy, Pediatrics International