94歳のレシピ
コロナ、コロナの毎日ですが、今年は行動制限も緩和され、久しぶりに家族揃っての賑やかな新年を迎えられた方も多いと思われます。家族で囲む食卓には、我が家の一品やお袋の味が並び、懐かしい味を楽しまれたのではないでしょうか？
お袋の味と聞いて思い出す利用者様がいらっしゃいます。
その方は娘様家族と同居されていますが、娘様も難病で思うように台所に立てず調理の大半は娘様のご主人が準備されています。「自分が元気でいないと、お父さんに迷惑をかけてしまう。寝たきりにならないようにするには、どうしたらよいか？」と圧迫骨折後にご自身で介護相談に来られました。歩行が不安定で動く機会が少なくなり、自宅の中で過ごす事が増えていたので、週1回の通所介護に通い運動することにしました。自宅でも自主トレを行い、天気の良い日にはシルバーカーを押し畑の様子を見に行くのを日課にされていました。
数年前の冬、利用者様からお父さんの晩酌の一品に「大根のビール漬け」」を漬けたよ。いつもは発泡酒だけど、これにはビールを使うだよ！簡単だからと作ってみな。と教えて下さいました。来年も漬けられるようリハビリしなきゃね。と笑顔で話されました。
歳を重ねるとともに体調の変化があり、手伝ってもらう事は増えますが、家族や相手を思いやる気持ちは変わらない事やその人らしさを教えて頂きました。いつもいつも温かい気持ちにさせて下さる利用者様です。
今年も利用者様のお宅には、愛情いっぱいの漬物が食卓に並んでいることと思います。
