センター長 小口智雅

ビジョン

  • 腎臓病や透析に関わる診療や看護で、他施設では対応できない患者を受け入れられる知識と技量を持つ。
    症例数の多いバスキュラーアクセス関連の手術やインターベンション治療をはじめ、要請には迅速に対応し、地域の中心的存在となる。
  • 腎代替療法の選択について、保存期腎不全の適切な時期にインフォームドコンセントをおこない、特に本人が腎移植もしくは腹膜透析を希望され、医学的にも適応のある症例では、積極的にスタッフが介入して腎移植や腹膜透析を後押ししていく。
    また、血液透析を受けている患者のなかで、献腎移植を希望する症例や生体腎移植を受けられる可能性のある症例を抽出し、適応のある症例については腎移植をおこなっている医療機関へ紹介することで、腎移植を推進する。
  • 透析患者に増加している下肢末梢動脈疾患に対応するため、スクリーニングやフットケアの実践と患者指導を行う。
    早期発見に努め、重症化予防のために,治療が必要な症例には専門科と連携した診療をおこない、下肢切断に至る症例を減らす。
  • 認知度やADLが低下している高齢者には、特に安全対策を施して透析医療をおこなう。院内外のさまざまな職種や機関と連携して介護体制を構築し、通院手段を確保する。
    本人や家族の気持ちに寄り添い、延命目的だけの透析にならないように配慮する。
  • 災害時の県透析基幹病院として災害時マニュアルの整備と周知をおこなう。
    不測の事態に備えるため、防災設備や備蓄の点検、防災訓練や情報伝達訓練を定期的におこなう。
  • 透析機器のハード面からも、透析患者のQOL改善や寿命延伸に貢献するため、本年よりオンラインHDFを開始する。
    オンラインHDFの運用には、規程に基づく適切な管理をおこなう。
  • 国が進める「働き方改革」を実践するために、部署間やスタッフ同士の意見交換をおこない、業務のムダを減らして効率化する良いアイデアを積極的に取り入れていく。

構成

<腎臓内科外来>

  • 外来診療
    平日(月・水・木・金曜日)      9:00~12:00(必要時延長)
    平日(火曜日のみ 腹膜透析専門外来)13:00~17:00(必要時延長)
  • 腎臓病外来担当看護師 5名(透析センター兼務)

<透析センター>

  • 外来透析
    月曜日~土曜日 2クール体制(月・水・金曜日のみ一部変則3クール)
    1クール目 透析開始時間 9:20~
    2クール目 透析開始時間 月・水・金 17:00~
    火・木・土 15:00~
    *(月・水・金曜日昼間のみ 一部変則2クール稼動:8:00~ 13:30~)
  • 入院透析
    月曜日~土曜日 9:30~17:15 (必要時夜間透析実施)
  • 緊急透析患者受け入れ(24時間体制)
  • 臨時透析患者受け入れ
  • スタッフ勤務体制
    平常の各時間帯は当番制
    平日夜間・日曜日は宅直待機体制にて緊急対応

<病棟>

  • 主に4S病棟にて入院診療

主要設備・機器

腎臓病外来診察室 2室、透析機械室 1室、検査室 1室、指導室 1室
DU室 1室、器財庫 1室、倉庫 3室、看護用具庫 1室、患者用更衣室 2室
外来透析患者談話室 1室
血液透析装置 70台、透析用大型装置 4台、血液透析用ベッド数 68床
超音波診断装置 2台、Na、K測定器1台、除細動器 1台、体重計 3台
血圧計(健太郎) 2台、スケールベッド 1台、心電図モニター 9台

実績

外来血液透析患者(年度末) 192名
外来透析29,804件
入院透析2,661件
出張透析(ICUなど) 72件
腹膜透析患者(年度末)6名
新規血液透析導入患者51名

そのほかの血液浄化療法31名
内訳:
持続血液濾過透析13名(79日)
血漿交換1名(3回)
免疫吸着5名(17回)
顆粒球吸着6名(54回)
腹水濾過濃縮再静注6名(20回)

腎生検16名
内訳:
IgA腎症2例
半月体形成性糸球体腎炎2例
膜性腎症3例
微小変化群(微小変化方型ネフローゼを含む)5例
分節性病変(巣状糸球体硬化症を含む)1例
紫斑病性腎炎1例
アミロイド腎1例
管内増殖性糸球体腎炎1例

新入院患者438名
腎外来新患303名
再診3,086名
シャント関連手術181件(うち、人工血管移植術54件)
経皮的血管形成術337件
カフ型透析用カテーテル留置47件
*2019度その他の血液浄化療法31名の内訳:持続血液濾過透析13名(79日)、血漿交換1名(3回)、免疫吸着5名(17回)、顆粒球吸着6名(54回)、腹水濾過濃縮再静注6名(20回)
*2019年度腎生検16名の内訳:IgA腎症2例、半月体形成性糸球体腎炎2例、膜性腎症3例、微小変化群(微小変化方型ネフローゼを含む)5例、分節性病変(巣状糸球体硬化症を含む1例、紫斑病性腎炎1例、アミロイド腎1例、管内増殖性糸球体腎炎1例

学術・研修

<論文>
白鳥勝子 血圧低下のため透析施行困難になった副腎機能不全を合併した透析患者2症例
長野県透析研究会誌 vol.42  no.1,2019

宮島誠 フットチャック運用の現状評価と今後
長野県透析研究会誌 vol.42  no.1,2019

<学会発表>
宮島誠 災害時における長野県透析医会としての役割
第9回長野県臨床工学会総会 2019年4月21日 佐久市

谷村純 肉眼的血尿、紫斑、血便が順次出現し、血液透析を1ヶ月必要としたIgA血管炎
第66回信州腎セミナー 2019年9月14日 松本市

信岡賢彦 小腸潰瘍を伴い腎生検で診断された原発性ALアミロイドーシスの1症例
第49回日本腎臓病学会東部学術大会 2019年10月5日 東京

信岡賢彦 維持透析中の定期検査における軽微な心電図変化できづかれ、
冠動脈バイパス術施行に至った無症候性心筋虚血の1症例
第67回長野県透析研究会学術集会 2019年11月17日 松本市

小口智雅 皮膚が菲薄化した吻合部瘤の切除
第18回信州バスキュラーアクセス研究会 2019年12月1日 松本市

白鳥勝子 現存の内シャント吻合部を生かす工夫
第18回信州バスキュラーアクセス研究会 2019年12月1日 松本市

2019年度 年報